大阪府吹田市の放課後等デイサービス施設で安全管理を怠り、中学1年の男子生徒を死亡させたとして、府警は22日、男性職員(48)を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
死亡したのは豊中市の清水悠生(はるき)さん(当時13)。捜査1課によると、職員は昨年12月9日、「デイサービスアルプスの森」で送迎車から清水さんを降ろす際、他の職員を呼ぶなどの注意義務を怠り、清水さんを施設外に飛び出させ、川で溺死(できし)させた疑いがある。
清水さんは自閉症や知的障害などと診断され、突発的に走り出すほか、水に強いこだわりがあった。職員はこうした特性を把握しており、他の職員と計2人で対応しなければ、事故が起こると予見できたと府警は判断した。職員は容疑を認め、「2人で対応すべきだとは思っていたが、(施設代表らに)言えなかった」などと話したという。
施設代表の宇津慎史(60)と、兄で職員の雅美(65)の両容疑者も業務上過失致死容疑で逮捕されている。
一連の捜査の中で、不適切な管理体制も浮かび上がってきた。清水さんは2018年3月と19年12月にも施設から飛び出し、川に近づくなどした。しかし、施設ではこうした事実について職員に口止めしたうえ、保護者らに伝えていなかったという。また清水さんの死後、施設側は送迎時のマニュアルを市に提出したが、作成は事件後だったことが判明。保護者の署名を偽造し、支援計画の書面などを作っていたという。(甲斐江里子、田添聖史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル